NDI歴 40年の経験をもつ古森非破壊検査技術士事務所のブログです。
昨夜、NHKニュースウオッチ9で、事故のことを報道していた。
・作業員の被ばく量の限度は年間50ミリシーベルト。実際の被ばく量は、数倍~数十倍の被ばくの可能性がある。
・現在、広島市内の専門病院に入院中。
今回の事例は、放射線による過度被ばく事故である。
「放射線による被ばく事故」を、「車両による急発進事故」と想定して、比べてみた。
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エックス線装置による被ばく事故 |
車両による急発進事故(想定) |
概要 |
点検作業中、X線が何らかの原因で照射され、作業員が被ばくした。 |
車検作業中、車両が何らかの原因で急発進し、作業員がけがをした。 |
事故の一因 |
作業員は、X線が照射されているとは、思っていなかった。 |
作業員は、車両が急発進するとは、思っていなかった。 |
厚生労働省からの指示(宛先) |
エックス線装置を取扱う全事業所、関係機関、→エックス線を取り扱う可能性のある個人 |
車両を取扱う全事業所、関係機関、→車両点検を行う可能性のある個人 |
1. 点検作業時、運転停止 (点検作業者以外の者が電源を供給することを、防止する。) |
・点検中は、電力の供給停止 ・電源供給スイッチに施錠。 ・作業中の表示板を取り付ける |
・点検中は、エンジン停止 ・キー穴をふさぐ。 ・作業中の表示板を取り付ける |
2.警報装置の点検 |
・自動警報装置を点検(電力が供給されたことを知らせる) |
・自動警報装置を点検(エンジンがかかったことを知らせる) |
3.リスクアセスメントの実施 |
点検時において、危険なことをすべて洗い出して、対策を実施 |
車検時において、危険なことをすべて洗い出して、対策を実施 |
4.作業手順書の作成と順守 |
点検時における、被ばく事故防止対策を含めた手順書を作成して、作業者に守らせる。 |
車検時における、急発進事故防止対策を含めた手順書を作成して、作業者に守らせる。 |
?? 調査中 エックス線発生のための必要条件 1. 電源の供給 2. 照射スイッチオン(タイマー) |
急発進が発生する必要条件 1. エンジン始動 |
エックス線は、光と同じ電磁波なので、被ばくしても感じない。
電源を供給しないと点検できないこともある。この場合については、何も触れられていない。
厚生労働省に望むこと
何らかの原因がわかったら、早急に発表してもらいたい。
作業員2名の一日も早い回復を、願う。
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